洛中のど真ん中、室町二条にとても立派な町家の店舗を構える然花抄院(ぜん・かしょういん)。
町家にしては広い間口の堂々とした佇まい(築300年とか))にまずびっくりです。然花抄院は主に茶寮、店舗、ギャラリーで構成されています。
店内につくられた中庭「天戸ノ庭(アマトノニワ)」。
永楽屋室町店など数多くの坪庭や、都ホテルの葵殿庭園などの修復を手がけた植藤造園が2018年に作庭しました。
春はしだれ桜、秋には紅葉が枯山水に彩りを添えます。
最初は「普通の枯山水」と思っていたのですが、眺めれば眺めるほど味わいの深さがじわりと。
砂紋と苔の美しさだけでなく、井戸の配置や庭の片隅に置かれた篝火(かがりび)、鉄盆(?)など、
「何を意図しているんだろう」と思惟の世界に入っていきます。
中庭を通り、奥に進むとギャラリー「SUGATA」
ギャラリーにも、ちょっとした坪庭がつくられています。壺や花瓶の配置もさりげなく見事で、和の神髄を感じました。
然花抄院は、東京の渋谷ヒカリエに出店しています。
自分は京都時代は存在に気づかず、ヒカリエで見つけて、京都本店ということを知りました。
室町本店の開設は2009年ですが、元の町家は元禄年間(1688〜1704年)に建てられたそうです。
運営母体はカステラで有名な長崎堂グループ。然花抄院では目玉商品の「然カステラ」が人気を集めています。
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