日光東照宮 

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北関東の山間に、江戸のはじめ、
突然姿を現した極彩色の別世界――。

杉木立に覆われて佇む社殿は陽光を受け、
目映いばかりの美しさ・・・・・。す、すごい!

いやーここまで徹底していれば文句なし。
これだけ多彩な彫刻と煌びやかさで埋め尽くされた
建築群は日本広しといえど、他には絶対にないでしょう。

自分の目を通してではなく、
戦前にブルーノ・タウトが「いかもの」と指摘し たような見方を
そのままありがたく受け入れ、

「日光は俗悪」と言うことが「かっこいい」と
思っているのはちょっと恥ずかしいかなと思ったりもしました。

確かにちょっと「お腹いっぱい」になるけど、
東照宮や大猷院で「思考の余地がない」のは
想像力の欠如では?なかろうか・・・・。

優美で簡素な美しさを保つ京都文化の対極として考えると、
さらにその存在感がクローズアップされて興味深く鑑賞できます。




 


東照宮で最も有名な陽明門。日光の名の如く、陽を受けて輝く姿は美しい。





これが門――とは思えない豪華な装飾。いったい何頭の龍と獅子がいるんだろう。





派手な装飾の中、地味に存在感を示す人間の彫刻も。中国の故事をモチーフにしているとか。





陽明門をくぐって左側の神輿舎。個人的には下の輪蔵と並んで、好きな建物です。





禅宗寺院の仏殿によるある建築様式。少し抑え気味の配色が上品な感じです。





輪蔵から望む鼓楼。背景の緑の存在を忘れてしまうほどの存在感





鼓楼の裳階。派手なだけでなく、装飾は極めて緻密





薄暗い殿内に陽が射した瞬間、鑑のようにゆらめく光





陽明門に連なる回廊の彫刻。意匠は、松や牡丹、孔雀など、「縁起が良いもの」ばかりです。





なぜか有名な眠り猫。うーん。確かに穏やかな雰囲気ですね。平和の象徴ととらえれば、かなり奥深い意匠です。





こちらも有名な三猿。





東照宮、見どころがいっぱいあって楽しいですが、拝観料はなんと1,300円。
一瞬、え、マジ?と思ってしまいました。
確かに「芸術の粋」の結集と考えれば、博物館と同じくらいの金額もわかるのですが、
宮内庁の管轄の桂離宮は無料、金閣寺銀閣寺など京都の名刹でも500円以下の拝観料と考えると、
ちょっと高すぎかなーとも思ったり。




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