文化学院 造形礼賛

東京の近代建築 大学の近代建築 お茶の水・水道橋

与謝野晶子らの賛同を得て西村伊作が大正6年に設立した文化学院。

「中学校令や高等女学校令に縛られない独自の教育をするために、

文化学院はあえて各種学校として設立され」(同校ホームページより)た文化学院は、

自由な教育を標榜し、これまで幾多の個性的な人材を社会に送り出してきました。

文化学院本館は、創立者である西村伊作の設計。蔦が絡まる外壁が60余年の歴史を感じさせます。

何よりも印象的なのは正門(?)のアーチ。

特に珍しいものではないのですが、この建物のアーチは言葉では表せない独特の雰囲気を漂わせています。

設計者・西村の計算された「何か」があるのでしょうか。値はあります。

↑正門から校舎内を覗く。コンクリートのアーチは夏でもひんやりとして気持ちいい。
伝統建造物の代名詞的な「蔦の絡まる校舎」。現代的なビルが増えたお茶の水界隈では貴重な存在だったなぁ。

もう解体工事は始まっているのかな。お茶の水の、東京の名建築がまたひとつ消えていくことに大きな淋しさを感じます。

設計:西村伊作 竣工:昭和11年 JR・地下鉄お茶の水駅徒歩5分  ― 東京都千代田区


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