野村家庭園 ―水と石がつくる庭屋一如の名園― 金沢の庭園／造形礼賛

加賀藩士の邸宅だった野村家の庭園。詳細な説明はこちらのホームページをご参照ください。

「庭屋一如」という概念を具体化した日本有数の名園

この庭園はなんと言っても、水と石が創り出す空間が最大の見どころ

縁側まで入り込んだ曲水、絶妙な石の配置・・・・。一藩士がここまで洗練された庭を造り出したことに金沢文化の底力を感じます。

池泉庭園の隅に作られた築山の枯れ滝のような石組み。この部分もそうですが、野村家庭園はどこも「手抜き」がなく、緻密です。

縁側部分を少し離れたところでも、細かい部分まで配慮が行き届いています。
ただ植栽が少し多すぎて、庭の全貌が分かりにくい印象も受けたのですが、敢えて密集させることで、それほど広くない庭に立体感と奥行きを持たせている？

茶室に通じる途中の露地。巨大な自然石を使った奇抜な蹲踞（つくばい）など、こちらも石の配置、形状の選び方、どれも作庭者の秀逸な美的感覚を具体化しています。

二階にある茶室からは庭園を俯瞰することができます。

世界的に評価された庭とのことで、ときおり団体客が訪れますが、一団が去ると再び静寂の世界に。
縁側に座り、ゆっくりと水と石の世界に浸れます。