瑞春院は烏丸通から相国寺の西門を入ってすぐに建つ相国寺の塔頭で、同志社の北側に位置します。
源流は室町時代で、明治期に入って瑞春院として再興されました。
作家の水上勉が青少年期に修行をしたお寺としても有名で、そのときの体験が彼の作品「雁の寺」となっています。
以前住んでいた場所から徒歩数分、何百回とその前を通りながら拝観したことはなかったので、
特別公開に合わせて訪問しました(2008年?)。
当時は庭にそれほど興味がなかったので、駆け足で拝観したのが今から思うと残念です。
瑞春院の庭は大きく南側の枯山水「雲頂庭」と北側の池泉庭園「雲泉庭」に分かれます。
南庭の雲頂庭は素朴で簡素な趣。室町時代の作庭とされてます。
手入れされている苔と雲の頂を象徴するような名石
書院「雲泉軒」に面した「心字池」を中心とする北側の雲泉庭
雲泉庭に面して建つ茶室「久昌庵」は表千家の不審庵の写しです。
「花手水(はなちょうず)」という言葉が有名になる前から、京都の寺院では手水鉢にそっと季節の花を添える習慣があった気がします。
ごく身近な寺院だったせいか、軽い気持ちで拝観したのですが、瑞春院が公開されることは極めて貴重な機会だったんですね。
水琴窟でも有名ですが、その辺は全く記憶になく。次回の公開に期待しています。
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