大谷大学尋源館(旧本館) 


大学の近代建築 京都の近代建築 MAP    設計:松任外次郎、須藤勉、山本八太郎など  竣工:大正2年(1913年)





赤煉瓦に花崗岩や大理石を装飾に使用した大谷大学の旧本館「尋源館(じんげんかん)」。
歴史と伝統を誇る大谷大学のシンボルにふさわしい重厚で、華麗な建築です。






正面の小さな塔屋がなんとも洒落ているというか、尋源館の大きなアクセントになっています。
この小さな塔がなければ建物の印象も全く違っていたでしょうね。
個人的には、この塔の存在が他のよくある普通の煉瓦の建物と一線を画すイメージを高めているのではと思います。






大谷大学は東本願寺(浄土真宗大谷派)が設立した学寮が起源で(西本願寺は龍谷大学)、
現在は文学部、教育学部など複数の学部を持つ文系の大学となっています。
大谷大学と言えば、大谷派の僧侶で哲学者だった初代学監の清沢満之(きよざわ・まんし)が有名。
わずか39歳で他界しましたが、「自己とはなんぞや」など数々の哲学的な名言を残しました。









ところで意外に話題にならないのですが、
京都の私立大学では大学の校舎に中国の古典や聖書などから採用した独自の名称を付ける場合が多いです。
東京その他の地方では「1号館」「文学部校舎」などが圧倒的に多いと思うのですが、
例えば京都では同志社の彰栄館や啓明館、立命の存心館や以学館というように各校舎に名称が付けられています。
味気ない1号館、2号館よりもやはり独自の名前を持っている方が建物の個性を感じられますね。

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