北野天満宮

京都の庭園
 地図 西陣の庭
桃山文化の庭



「天神さん」として昔から京都市民に親しまれている北野天満宮。
九州の太宰府に左遷されて没した菅原道真の怨霊を鎮めるため、平安時代に北野の地に祀られてから現在に至るまで、
京都では天皇家、公家、そして庶民から篤い崇敬を集めてきました。
天神さんのイメージも当初の雷神から、今では学問の神様、京都を代表する神様に変わり、
受験シーズンには合格祈願、2月には観梅、
そして毎月「天神さん」の愛称で親しまれる縁日など、多くの参拝者を引き付けています。







本殿の中門「三光門」(重要文化財)と本殿(国宝)。
本殿は豊臣秀吉の嫡子、秀頼が1607年(慶長12年)に建立しました。日本最古の八棟造(権現造)とされ、
桃山文化の色濃い装飾が目を惹きます。










西本願寺の唐門醍醐寺三宝院の庭に共通するこの上品な華麗さ。
豪華なのですが、過剰ではないので、いくら眺めていても飽きない美しさです。










境内、社殿の雰囲気ともに艶やかな明るさ。
写真を観てふと思ったのですが、以前はコロナ禍前でも25日の縁日や梅、受験シーズン以外の平日に訪れると、
このように人がいない時間帯もけっこうあったんですね。今では参拝客で大賑わいです。








天神さんと言えば「梅」。太宰府で都を偲んで道真公が詠ったとされる
「東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」の歌が余りにも有名ですね。
この本殿前の「飛梅」は、道真公が自邸で育てていた梅を創建以来、大切に受け継いできたそうです。










梅の花が咲き乱れる境内の「花の庭」。以前、北野にあった成就院の「花の庭」を再興しました。
妙満寺(元塔頭・成就院)の「雪の庭」、清水寺成就院の「月の庭」とともに、都の「雪月花の庭」と讃えられています。










たまたま訪れたのが3月初旬だったのですが、梅の花は満開。
花にはそれほど興味はないのですが、桜の華やかさとはまた異なる梅の艶やかさに感動しました。







庭園への入場は有料なのですが、その区画の北側、三光門と西廻廊の近くにつくられた「船出の庭」。
2015年(平成27年)に完成した新しい庭ですが、道真公の邸宅に実存した庭を忠実に再興したそうです。






最初、遠くから眺めていたときは「いかにも新しい庭」という雰囲気で、
あまり感慨はないかなと思っていたのですが、近くで眺めてみると印象は一変。
この奥行き、広がり、庭に彩りを添える梅、そして細部までのこだわりもあり、平成の名園です。







「曲水の宴」(杯が流れてくる前に和歌をつくる平安時代からの催し)の舞台にもなる船出の庭。清流のカーブも美しく。









庭の最も奥に配された滝石組(水の流れはここから始まります)。色合いも質感も見事。
この現代の名園を作庭した企業は地元京都の「空間創建」。岡崎公園や立命草津キャンパスも手がけています。










北野天神と言えば、秀吉が催した「北野大茶会」でも有名。
このため境内には梅交軒、松向軒、明月舎の3軒の茶室が設けられています。こちらの写真は梅交軒。
朱の欄干との対比が美しく――。








祖父の家も近かったことから、幼児時代からよく訪れた天神さん。
個人的には下鴨神社と並んで、京都で最も愛着を感じる神社です。久々に訪れて、ほっこりしました。





       
 醍醐寺三宝院     西本願寺飛雲閣  
     
         
 
 西陣界隈の庭園     下鴨神社  



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