大仙院書院庭園 蓬莱山 






大仙院の庭で最大の見所である蓬莱山と花頭窓のある透渡殿周辺の石の配置。

ひとつひとつの石がどれもその石ならではの個性を持ち、完璧とも言える立体的な山水画を創り上げています。
蓬莱山に見立てた石組、石橋、滝を表す縦に白い縞模様が入った名石が醸し出す、美しき緊張感。
花頭窓から眺める額縁の蓬莱山の美しさは本当に素晴らしいし、この庭を間近で鑑賞できる時間と空間は最高の贅沢
室町期に作られた、日本で最も緻密で美しい枯山水の庭園は国の特別名勝に指定されています。
ちなみに特別名勝の指定件数は日本でわずか36カ所(2025年5月時点)で、国宝の指定件数(1144件)よりもはるかに少なくなっています。









蓬莱山は不動石(向かって左、高い方)と観音石で構成されています。




観音石の右が、「枯山水」を象徴的に表す滝の流れ。
石英の筋や石のくぼみをを滝の流れに見立てるという、まさに作庭の技術とセンスの極致




石そのものには造詣も浅く、それほど強い関心を持たない自分でも、これらの石の色や質感がつくり出す世界観には感動








廊下のすぐ横に置かれた平面の石「沈香石」は、豊臣秀吉のために千利休が花を活けたと伝えられています。










花頭窓の近くに配された石組みは「鶴島」。手前のとがった石は頭ではなく尾(あるいは羽?)を表しているようです
(透渡殿にさらに近い黒い石=達磨石を頭とする説も。達磨石は他の石と異なり、京都北山産と言われています)。








書院北側では、独醒石(立石)と仏盤石(中に窪みがある平石)が特に個性的。
千利休は、この独醒石と仏盤石の配置などから、蹲踞(つくばい)を考案したと言われています。







わずか30坪の敷地にこれだけ写実的で力強く、そして緻密な庭が作られたことは日本庭園史の輝かしい足跡ですね。














こちらは2000年前後に撮影が認められていたときの冬の写真。
石を見るには樹木に遮られない冬の方が適していますが、夏は夏で深山幽谷の情景となるのが大きな魅力









2000年前後の夏の蓬莱山周辺と「亀島から鶴島を観た角度」の写真。今に比べると植栽が少しすっきりしてる感じでしょうか。









あらためて蓬莱山を創りあげる名石の数々を。
選び抜かれた石で構成される枯山水の最高傑作。 特に水落石の本当に水が流れているような縞模様は見事ですね
それぞれの石の説明に関しては、いろいろなサイトや書物で紹介されていますが、
それぞれの石から受ける自分なりの印象、感動がいちばん大切かなとも思います
(石の配置や名称については、東京堂出版「日本庭園事典」などを参照させて頂きました)。





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