帝国ホテル 茶室「東光庵」 (千代田区)  



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東京を代表する帝国ホテルに茶室、露地庭があると知り、さっそく訪れました。
場所は本館の4階。途中階に本当に茶室と露地庭があるの?と思いつつ、半信半疑で予約時間に訪れてみると、
4階のエレベーター前でスタッフの方がお出迎え。「○○様でいらっしゃいますか」。さすが帝国ホテル!












ホテルの一室に設えられた和風の門をくぐると、そこはもう別世界。
自然の光と影がつくり出す幻想的な雰囲気の中、立派な露地庭に待合、窓の向こうには石灯籠と竹笹という見事な造形













窓の外の枯山水も本格的な作り。石灯籠の横には蹲踞(つくばい)、枯流れなどが設えてあります。
背後のビルがなければ、ここが都心のど真ん中、日比谷であることも忘れてしまいそう。










窓の外を眺めながら、お点前を頂く茶室に案内してくださいます。






通された茶室は十畳の「月歩の間」









洞床(ほらどこ)を備えた、簡素な床の間はどこまでも雅やか
(掛け軸も著名な方の作だそうですが、ご案内頂いたのに忘れてしまった)。

このお部屋でお点前を頂くのですが、実家以外でちゃんとしたお茶席での経験は全くの初めて(茶庭は大好きなのですが)。
でも担当のスタッフの方(と書いてもいいのかどうか。おそらくお茶の先生かと思います)はとても親切で、
上から目線ではなく、いろいろな基本の所作を教えて下さいました。お点前の抹茶と虎屋の夏菓子はとても美味しかったです。










訪れた日は真夏日の午後。陽射しを避けるための簾が涼感を誘います。















ところで東光庵には、お茶を頂いた「月歩の間」を含め、三つの茶室があります。こちらは四畳半で、総称ともなっている「東光庵」。
裏千家家元の「又隠(ゆういん)」をモチーフにしたもので、村野藤吾が設計しました。
光天井は村野ならではの意匠で艶やか、鮮やかです。
飛び石や延段、そしてこの茶室。ホテルというビルの一室にあることを全く感じさせない見事な空間













入り口近くの腰掛待合の奥には、「松濤の間」があります。主客石と連客石、そして延段の端正な美しさ――。
ちなみに帝国ホテルのこの茶室は、著名な建築家・村野藤吾の設計です。







露地庭を観たくて訪れた東光庵ですが、本格的な茶室でのお点前は貴重な体験でした。
案内してくださった方、お茶を点てて下さった方はともに完璧なサービス。
決して傲岸にはならず、絶えず微笑みとともに、さりげなく所作や知識を教えて下さるのは、
やはり一流ホテルならではと感じました。

都心で「市中の山居」を味わえ、これだけの空間と時間を独占できる帝国ホテルの「東光庵」。詳しくは公式ページで。




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