洛東遺芳館 らくとういほうかん (旧柏原家)   京都の庭園  地図  坪庭・露地  祇園、建仁寺界隈の庭園   





洛東遺芳館は、「柏屋」を経営していた京都の豪商「柏原家」の旧宅で、
春秋に柏原家伝来の美術工芸品などが展示されます(日程などの詳細は公式ホームページでご確認ください)。










近くの料亭「はり清」の予約まで少し時間が合ったので、ちょうど公開時期と重なっていたことから、
軽い気持ちで立ち寄りました。
柏原家代々の美しくて貴重な展示品だけでなく、まさかこんな本格的で、素敵な坪庭が残されているとはつゆ知らず――。
時間に追われ、駆け足で見学したことが後悔です。









洛東遺芳館の主庭は決して広くはないのですが、坪庭としてはかなり大きな造りになっています。
静寂に包まれた室内では、各部屋からそれぞれ違う角度から額縁の坪庭を眺めることができます。









大広間の障子は開放されていて、縁側に出て庭を鑑賞することができます(散策は不可)。









正面には堂々とした石灯篭と、その前に配された大きめの飛び石と伽藍石(がらんいし)









左側の石灯篭の前は少し凹んでいますが、本来はおそらく蹲踞(つくばい)の前の「海」なのでしょうか。









他の部屋からは、別の坪庭を障子越しに眺めることができます。どこも趣が微妙に異なり、時間を掛けて鑑賞したい庭です。






他に来館者もいなかったので、この枯淡な趣の縁側に座ってしばしぼ〜っと庭を観ていたかった・・・・。
次回の公開時期にはたっぶりと時間を割き、あらためて庭と展示品を鑑賞したいと心から後悔・・・・。









何気ない場所でも、和の美しさが凝縮された光景があちこちに。






いま東京に本社を置く紙の卸商、柏原紙商事などの前身となる柏屋。
中京(なかぎょう)辺りの豪商と比べても、はるかに広い敷地を誇っていたんですね。
豪商の町家がこのように期間限定で公開されていることは本当に嬉しいです。
ちなみに展示品をはじめ、建物内部の写真撮影は禁止です。

→2022年秋から庭園も含め、撮影は全面的禁止になりました。告知もなかったので驚いて窓口の係の人に尋ねると、
自動車のナンバーや個人が明確に分かるような写真、動画をSNS上で公開する人が居るためとのことでした。
「え。立入禁止の庭園を撮影して、人はもちろん、ましてやクルマのナンバーなんか映るはずないやん! 」と思ったのですが、
何よりも個人情報特定につながるような画像や映像を平気で掲載する人がよくないんですよね。
庭や建築のサイトでも、立派なご高説を展開しながら、人の顔がわかる画像を無神経に掲載してるサイト、確かにあるからなぁ。




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