

近代日本庭園の先駆けとなった七代目小川治兵衛がほぼ最初に手がけた本格的な庭園で、
疎水の流れを邸宅に引いた最初の庭園。既に「庭屋一如(ていおくいちにょ)」の概念が具体化され、
自然の水の流れを最大限に活用した画期的な庭となっています(作庭は明治27年=1894年)。



水音と水紋。翠と緑。静かな石の息吹。五感が研ぎ澄まされる名庭。この庭に余計な説明は不要かもしれません。


伏見の大橋家庭園など、石燈籠の多用も小川治兵衛の庭の特徴かなと思うのですが、全くごちゃごちゃした感じを受けないのはさすが

山縣有朋の無鄰菴より先に作られた庭ですが、きっかけは並河靖之邸の隣が小川治兵衛の家だったこと。
京都という風土で、偶然から生まれた名作ですね。

疎水からの取水口近くに架かる石橋。小川治兵衛の庭の原点とも言うべき場所


主屋から観る池泉庭園。街中でこの風景を楽しめるのはまさに贅沢な空間、きっと七宝の創作にも貢献したはず
→ 記念館の坪庭

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