本法寺 「巴の庭」
  MAP 日蓮宗、ほんぽうじ、京都市上京区  京都の庭園  桃山時代の庭園





桃山時代の華麗でありながら、繊細な特徴を余すところなく表した枯滝石組。写実的で、立体の絵画のような趣です。






本法寺は1436年、東洞院綾小路の場所に建立され、1587年に豊臣秀吉から現在の地を与えられました。

その後、火災によって伽藍は灰燼に帰しましたが、徐々に回復が図られ、
今では本堂、多宝塔など多くの堂宇をそろえる日蓮宗有数の寺院となっています。










本法寺は長谷川等伯の涅槃図のほか、本阿弥光悦が作庭したとされる「巴の庭」でも有名です。
書院の東側に拡がる巴の庭は、室町時代の枯滝三尊石組の手法を残した桃山期の名園で、
三尊石を中心に三つの築山を巴型に配しているため、「巴の庭」という愛称で親しまれています。
本当に素晴らしい枯滝石組で、三尊石を中心とする名石で構成される一画に夕陽が射す光景は神々しい美しさ









「巴の庭」を構成する築山。六角形の石燈籠が艶やか






書院の正面には、他の庭では見ることができない十角形の蓮池











個性的な十角形の池には季節になると「蓮」が生い茂ります。
手前の円い石が太陽「日」を表し、日蓮宗の開祖「日蓮」になるよう工夫されているとか。
















「巴の庭」だけではなく、回廊とその横に設えられた露地も洗練された作り









巴の庭に行くまでに枯山水の庭もあり、庭が好きな人にとっても本法寺は心から美しさを堪能できる寺院と思います。
三門を出たところには裏千家の今日庵があるためか、
ときおり着物を装った女性が境内を通り抜けていく光景も京都ならでは。

洛中の喧噪を避けてゆったりとした時間を過ごすことができます。境内には光悦一族の墓所もあります。



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