京都の庭園 小川治兵衛の庭 MAP 京都御所界隈の庭園 ホテルの庭 烏丸通りを挟み、京都御苑の西側に建つ京都平安ホテル。 「平安会館」だった頃には、その前を何百回以上も通っていたり、ちょっとした集まりで利用したり、 とても親しみがある場所だったのですが、七代目小川治兵衛が手を加えた名園があったとは全く知りませんでした。 気分的に近所で、宿泊客ではなくても庭の見学を許してくださる心が広いホテルだったので、 却って「いつでも行ける」という安心感があり、最近は訪れていなかったのですが、なんと2022年7月から営業を休止。 そしてついに23年3月31日で廃業という悲しいお知らせが正式に公表されました。 まさか平安会館がなくなるなんて、想像もしてなかったので、本当にびっくり。 そして今は、この名園はどうなるんだろうという切ない心配が募ります。 上級公家だった醍醐家の庭を七代目小川治兵衛が改修した京都でも有数の名園。 この庭が新しい持ち主に引き継がれ、これまで通りの美しさが後世に伝えられることを切に願っています。 ロビーから眺められる広々とした庭園、本当に素敵だったな。 メインは庭の中央にある池なのですが、庭の要所に置かれた石灯籠と名石も目を引きます。 平地に造られた段差に置かれた石灯籠、水が滴る滝石組がさらに立体的な光景をつくり出します。 このダイナミックな滝の造りは、七代目小川治兵衛の庭の特徴 ( → ウェスティン都ホテル葵殿庭園、金沢・辻家庭園)。 飛び石の形も個性的。鍵型の石橋の先端は宙に浮く形になっていますね。 池の畔に建つ四阿(あずまや)。この庭園の中心的な存在で、一見すると普通の建物なのですが――。 朱色に塗られた壁に円窓という祇園のお茶屋にありそうな粋な作り 四阿の周辺は、蹲踞(つくばい)が置かれた露地庭風の造りになっています。 訪れたのは早春の夕暮れ。薄暗くなる前の少し寂しい黄昏の庭に文字通り花を添える紅梅 平安ホテルの敷地には、江戸時代に醍醐家の邸宅があったそうです。 醍醐家は、近衛家など五摂家に次ぐ家格の「清華(せいが)家」。 明治時代には、五爵の上から2つめとなる「侯爵」となりました(武家では徳川御三家などが侯爵)。 京都の町家が集まる平坦な上京(かみぎょう)の一画に、 池泉、築山、露地など日本庭園の主要な要素を織り込んだ平安ホテルの庭園。 宿泊者以外でも、散策することが可能です。近くには平安女学院、旧有栖川宮邸宅(平安女学院有栖館)も。 Copyright © Goto N. All Rights Reserved. |