金地院 こんちいん 南禅寺塔頭)  





【所在地】 左京区地域】 南禅寺界隈の庭園 【庭の形態】 枯山水池泉庭園 【面積】 中規模
【作庭者】 小堀遠州 【作庭時期】 江戸初期(1632年) 【特記】 国指定特別名勝
【撮影】
庭園は自由 【訪問日】 2023年4月、2004年以前









方丈前の庭園は小堀遠州の作庭が確定している唯一の庭で(伝小堀遠州の庭は多いですが)、
建造物や工芸品の「国宝」以上に対象が少ない「特別名勝」に指定されています。






方丈前の庭園「鶴亀の庭」。中央の礼拝石を挟んで、鶴島と亀島が向かい合う日本庭園の伝統的な構図ですが、
当時としては画期的な、直線の美しさを重視した小堀遠州らしい作庭に。










鶴島と亀島の間に置かれた礼拝石。庭の背後にある東照宮を遙拝するために置かれました。
京都に東照宮は少し違和感もありますが、
家康は「日光と久能山と京都に東照宮を設置するように」と
金地院の住持、以心崇伝(金地院崇伝)に命じていたようです。

金地院を現在の場所に構えた以心崇伝(金地院崇伝)は、徳川家康のブレーンとして活躍し、
京都の宗教界だけでなく、幕政にも大きな影響力を持つ「黒衣の宰相」と呼ばれていました。










東照宮(木々の間から見える瓦屋根の建物)を背景とする礼拝石と鶴島









今にも動き出しそうな亀島。柏槇(びゃくしん)が盆栽のような美しさですね。






石燈籠と蓬萊山の石組みで構成される、金地院の庭で個人的にいちばん好きな鶴島と亀島の中央部分。
ただ金地院はこれまでも数回ほど訪れているのですが、この庭に惹かれたのは今回(2023年)が初めて。




何でだろう?と考えたのですが、以前の庭(上の写真)と植栽が全く変わっている点が大きく影響しているようです。
どちらかと言えば木々がメインだった庭から、石組みが中心の庭に生まれ変わったという感じでしょうか。
もちろん個人的な好みが大きいのですが、植栽が庭に与えるイメージの大きさを再認識しました。









方丈前庭以外の見どころでは、まず方丈への入り口となる明智門。
明智光秀にゆかりの門で、明治期に大徳寺から移築されたそうです。門から眺める境内の景色は額縁効果で緑がいっそう美しく。







池泉庭園から眺める鳥居と鶴島の石組み









金地院を特別な存在としている東照宮。徳川家康の遺髪が奉納されているとのことです。




金地院の案内図から



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