
南禅寺三門の近くで、円形の玄関(円門)が目を引く大力邸

円門から観る坪庭の向こうには銭形の蹲踞(つくばい)と三尊石の坪庭。
この区画だけで、既に一つの世界観が出来上がっています。

内部から観た円門と周辺の庭、枯山水ではなく、水が流れる小さな滝組となっています。


円門から正面玄関に向かう苑路沿いの斜面に立てられた石燈籠。ここから流れる細い水が、双龍庭園に流れ込みます
(この地図は大力邸のホームページからお借り致しました)。


南禅寺界隈の名園の一つ、七代目小川治兵衛の流れを引く十一代目小川治兵衛が作庭した「双龍庭園」。
二つの滝が流れ込むことから双龍庭園と名付けられました。
立体的な迫力のある庭ですが、池泉庭園の沢飛石などが柔らかで雅やかな印象を与えています。
十一代目小川治兵衛は、平安女学院が所有する有栖川宮旧宅(有栖館)の庭も手がけました。



大力邸の庭の大きな魅力は、双龍庭園だけでなく、
円門の周辺や沿路、そして正面玄関の周辺が露地風のつくりになっていること。
石燈籠の配置、苔の生え具合、手入れされた植栽がとても洗練された雰囲気を作っています。


館内から観る庭園。まさに額縁に収まった絵画のような美しさ

草花にはほとんど興味がない自分ですが、大力邸の庭の隠れた主役はハート型のフタバアオイ。
下鴨神社のシンボルにもなっており、坪庭にも飛び石の際にそっと植えられるなど、京都で親しまれている植物です。

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