安諸定男氏の庭園 東京・関東の庭園 東京・関東の名園 九つ井「宇庵」 | |||
![]() New! 梅の湯島天神 (2023年2月19日) 東京・中目黒に2022年7月にオープンした高級ブランド「visvim」の新店舗を訪れて、初めて知った作庭家、安諸定男氏。 洋画にも影響を受け、庭の平衡バランス、借景や遠近感とバランスによる錯覚の造園的手法を学び (著書:「日本庭園は夢と心、安諸定男の作庭記」より)、これまで内外で多くの庭を手掛けてこられました。 visvim(ビズビム)に続いて著書を参考に訪れた庭は、湯島天神、都内の某寺院、そして横浜の九つ井「宇庵」。 自分としては、安諸定男氏の編笠門と趣のある土塀、 積み重ねた石と豊富な植栽(でもごちゃごちゃしていない)などに特に惹かれ、 大徳寺の塔頭にあるような日本庭園で最も美しい造形を具体化した庭園に感動しました。 それでいて、古さを感じさせず、とても斬新なイメージも醸し出している庭の数々――。 伝統をベースに新しさを切り拓いていく本当の意味での「現代の庭」かなと思います (奇を衒っただけの斬新さは、個人的に時代の流れの中で泡沫のごとく消えていくと思いますし、そうなってほしいです)。 |
|||
![]() ビズビム・ジェネラル・ストア (東京都目黒区) 地図 2022年作庭 この庭を拝見したときの衝撃は大きかったですね。黄土色の土塀、その半分くらいの高さまで積み上げられた石、 考え抜かれて置かれた石燈籠、竹蛇籠、そしてその間を縫うように埋め尽くす多彩な植栽。 京都の里山を意識して作られたそうですが、そのイメージも超え、斬新な輝きを放つ完成された庭の世界が拡がります。 ![]() WMVビズビム・トウキョウ (東京都目黒区) 地図 2019年作庭 ビズビム・ジェネラル・ストアと同じ敷地に位置し、東京では珍しい瀟洒な坪庭がつくられています。 大徳寺龍源院の坪庭に近い雰囲気を醸し出しながら、どこか現代の感覚も感じさせる不思議な庭。 土塀の色合い、苔や蹲踞(つくばい)の洗練された美しさに感動しました。 ![]() ビズビム・ギャラリー (東京都目黒区) 地図 2022年作庭 ビズビム・ジェネラル・ストア、WMVビズビムに挟まれるような形で建つビズビム・ギャラリー。 周囲の坪庭は、屋内の窓ガラス越しに観ることを想定してつくられており、美しい「額縁庭園」に。 ![]() 編笠門と土塀の庭 ―都内某寺院― 非公開 1968年作庭 ご厚意で見学を認めてくださった某寺院。庭の隅に置かれた石燈籠が庭の焦点となり、実際よりも広い空間を感じます。 土塀はやはり個性的な美しさで、底近くには石も積み上げられていますね。 この写真には映ってないですが、編笠門も設けられています(非公開なので、念のため寺院名は伏せておきます)。 ![]() 湯島天神(湯島天満宮)神苑(東京都文京区) 地図 2007年作庭 ![]() 慣れ親しんできた湯島天神に安諸定男氏の庭があったとは、全く知りませんでした。 こちらの庭も、特徴的な土塀の形と色、そして石燈籠が大きな存在感を放っています。 ![]() 九つ井「宇庵」 編笠門の露地(横浜市栄区)地図 1997年作庭 ![]() 九つ井「宇庵」 内露地(横浜市栄区) 地図 1997年作庭 大船駅からバスで数分の場所にある、そば処で有名な「九つ井(ここのついど)」の茶室「宇庵」。 自然の中につくられた洗練された露地では、「より美しくなるよう植えた」(安諸氏)紅葉が見事でした。 端正で伝統的な露地でありながら古さを感じさせず、自然と一体化した小宇宙の世界。 ![]() ※安諸定男氏の庭に関する説明に関しては「安諸定男作庭記 ―日本庭園は夢と心」(石文社刊)を参照させて頂きました。 安諸氏が手掛けた庭を写真付きで詳しく説明した読みやすい図鑑のような本です(英語併記も素晴らしい!)。 |
|||
![]() |
|||
Copyright © Goto.N. All Rights Reserved |