桜鶴苑 おうかくえん (旧山中定次郎本邸「看松居」)   桜鶴苑の玄関、露地  





【所在地】 左京区地域】 南禅寺界隈の庭園 【庭の形態】 料亭の庭池泉庭園 【面積】 中規模
【作庭者】 七代目小川治兵衛 【作庭時期】 大正4~6年 【所有者】 古美術商・山中定次郎 → 桜鶴苑
【雨天】 館内からも鑑賞可能 【公開形態】 利用者のみ見学可能 【撮影】 自由 【訪問日】 2023年4月






南禅寺界隈でなかなか訪れる機会がなかった、七代目小川治兵衛(植治)が作庭した名園の桜鶴苑。
親友と海外から来日した賓客を伴い、ようやく新緑の季節に訪ねることができました。









武者小路千家の茶人で建築家の三代目木津宗詮(木津聿斎=きづ・いっさい)が設計したとされる
数寄屋造りの本館の前に植治がつくった庭が拡がります。







池泉にカーブを付けて庭に広がりを持たせつつ、視界の先に岬灯籠を置いて景色を引き締める植治の庭。
池泉部分に遮るものを配置しないことで、無鄰菴のような開放的な明るさも備えています。










琵琶湖疎水から採り入れた水の流れにちなみ、この池泉は琵琶湖を模して作られたそうです。
言われてみると、確かに琵琶湖に似ている気も。
琵琶湖、近江八景をモチーフにした庭は護国寺月光殿幻の池泉庭園など関東にも多く存在しますね。







古美術商で世界に名を馳せた山中商会の初代社長、山中定次郎本邸時代の名称は「看松居」。
その名にふさわしく、松が庭の主役になっています(同じく南禅寺界隈菊水も樹齢200年を超える松が主役ですね)。






個人的にこの庭で最も惹かれた場所の一つは庭の中央部に建てられた門とその周辺の池の飛石









さまざまな「緑」が織り成すこの門周辺の新緑の風景は写真以上の美しさでした。






この門は一見すると木造の枯れた味わいの木造に見えるのですが、
コリント式に近い建築様式の石造になっています。










そしていちばん好きな風景が、ここ岬灯籠周辺の飛石がリズミカルに置かれた区画。
単純な配置のように見えて、石の形などはかなり複雑で、飽きが来ない造形になっています。









ツツジの刈り込みも丸みを帯びて見事な剪定に。松と並ぶこの庭の植栽の主役です。








桜鶴苑の庭は、池泉を中心とする主要部分だけではなく、周辺の路地も洗練された造りに。
露地と館内からの風景はこちらのページを参照してください。



桜鶴苑の玄関、露地



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