料亭左阿彌 ―紅葉の茶室「寛楽庵」―



左阿彌(さあみ)には大小の美しい客室がある本館の他、
完全に独立した個室となっているこの寛楽庵(かんらくあん)と遍松庵という2軒の茶室があります。
寛楽庵は、明治から大正時代にかけて多くの文人画などを発表した京都画壇の巨匠、
富岡鉄斎が席開きをした茶室。半月形の窓や簡素な床の間は京都らしい洗練された造形です。
そして何よりも素晴らしいのは、窓から眺める紅葉!
部屋の中までほんのり紅く染まる空間は言葉にはできない美しさです。

茶室「遍松庵」
 地図 / トップページ 料亭の庭 紅葉の風景

 






中門を入って左側にある外腰掛に隣接して寛楽庵、正面には遍松庵が建っています。









寛楽庵の前には苔むした蹲踞(つくばい)と石灯籠が配されています。









予約時に「できればお茶室で料理を頂きたい」とお願いしたところ、お店側は快く対応してくださいました
(席の別途使用料は不要という神対応でした)。
由緒ある茶室を独占できるだけでも幸せなのですが、感動はこれに終わらず、部屋に入るとさらにうれしい驚きが。







半月形の窓の向こうには今が盛りの真っ赤な楓。
日に照らされた紅葉で部屋全体も赤に包まれ、磨き抜かれた机にも紅葉が映り込む素敵な空間に。










障子まで紅葉で赤く染まって・・・・。
半月形の窓からは観る紅葉は、まさに絵画のように美しく・・・・・。









障子を開けると、さらに紅葉が眼前に迫ってきて趣も変わりますね。窓の向こうに見える茶室は「遍松庵」です。
この景色を独占して、一流の京懐石をいただける至福の時間










左阿彌の茶室は高低差を利用して造られているため、下を覗くと渓谷のような趣に。
落ち葉も紅葉で埋め尽くされています。







訪れたのは12月3日。
紅葉には少し遅いかなと思ったのですが、ちょうど見頃で本当に忘れられないひとときでした。
京都の街中では最近、12月初めの紅葉が多い感じですね。







道路側から観た寛楽庵の外観。花を付け始めた椿も美しいですね。









床の間には大徳寺黄梅院住職が書かれた掛け軸。
「本来無一物」。事物は空(くう)であるから、執着すべきものはないという意味でしょうか。
窓から射し込む柔らかな冬の陽射しも美しく――。







2023年に訪れた時の床の間と掛け軸。とても芳しいお香が焚かれていた記憶が













部屋の雰囲気と景色、そして何より絶品の懐石お味に気を取られて、料理の写真は撮り忘れてしまいました。
この空間でいただいた料理は忘れられないですね。



 → 茶室「遍松庵」



         
 
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